研究室紹介

 

研究室のメンバー




 
 

*** 研究室紹介 ***


 哲学・人間学は、私たちの生きているこの世界についての客観的な知識と、その世界における生の意味に関する主体的な知恵を、旺盛な好奇心をもって自ら求めていく学問です。
 たとえば、「心とは何か」、「知るとはどういうことか」、「善い生とはどのような生か」、「人の人たるゆえんは何か」、「人間は環境とどう関わっていけばよいのか」・・・といった問題がありますが、こうした問題の核心はそもそも何なのか、それは歴史的にどのように考察されてきたのか、そして、それについて自分はどう考えるのか、あるいはどう考えるべきなのか───、このような事柄を、たんに思いつきに任せてではなく、どこまでも論理的思考の基本に徹して、批判的に検討していくのです。専門分野「哲学・人間学」では、論証の基本的な約束事を身につけて、どこまでも自分の頭で考え抜く訓練をし、そうして論理的で柔軟な思考能力と広い視野、そして問題を自ら発見して答えを与えていく力を養います。
 と、このように言うと、哲学・人間学は「堅苦しく」て「きまじめ」な「暗い」学問だと思われるかもしれません(そしてそれが世間一般の印象なのかもしれません)が、実はそうではなく、要するに、頭をとことん柔らかく使った、斬新なものの見方の追求なのです。みんながふつう考えないで済ましてしまう事柄をあらゆる角度から納得のいくまで議論しあう、思考のワンダーランド、議論の格闘技、あらゆる理論の大胆な実験場なのです。
 まあ、哲学そのものはともかくとして、私たちの研究室は、学類生と大学院生、それに専任・準専任の3人の先生から構成されています。それに毎年、若干名の非常勤講師・集中講義の先生方にも応援をお願いしています。授業形態は講義と演習がほとんどで、少数精鋭(?)の密度の濃い教育・研究をめざしておりますが、もちろん、新歓コンパ、年末の忘年会、追いコンと、先生も熱くなってビールを片手に哲学議論に沸騰(?)することもあります。

学生による授業紹介(ほんの一部を、独断と偏見で紹介させていただきます)

人間学特殊講義:「J.キムの『物理世界のなかの心』を使って心の哲学を勉強します。毎
回キーワードを、担当した受講者が解説し、それを元にディスカッションしながら授業を進めていきま
す。知識を教わるだけでなく、先生の鋭い質問に答えようと、自分で考え討論する授業はハラハラドキ
ドキ。ディスカッションを通して新しい知識へと自力で到達していく過程がこの授業の面白味です。」
(四年生
Sくん)

哲学史:「主に近代哲学史について教えてくださっています。先生は、ご自分のちょっと悲しい経験からとても愉快な経験までを惜しみなく学生たちに話し、また学生たちにも様々な質問を投げかけてくださいます。哲学に関連した、それでいて日常に近い話題がどんどん出てくるので、私たち学生は楽しみながら理解を深めることができます。」(三年生Kさん)


西洋哲学史/西洋哲学史演習:「英語・フランス語・ギリシア語の演習を開講されています。丹念にテキストを追うことによって外国語を読む力を身につけるとともに、哲学の基礎的な事柄を学ぶ授業です。また講義では、古代の哲学者に関して毎期主題を定め、それに関連する学説やそれに関わる解釈上の議論について教えてくださいます。先生や解釈者の試行錯誤の後を追う事によって、哲学の醍醐味を味わうことができます。」(大学院修士一年生Iさん)


現代哲学基礎演習:「主にドイツ語で近世の哲学者の著作を読む授業で、今年はハイデガーの『ニーチェ』を読み進めています。これだけ聞くと、堅苦しくて難しい授業だと感じてしまうかもしれませんが、実際はアットホームな雰囲気で和気藹々と先生から教えを受けています!先生との楽しいコミュニケーション(辞書で頭をなでてもらえるとか)も頻繁にあって、哲学を学ぼうという気概を高めてくれること間違いなしです。ドイツ語や近世哲学に興味がある人はぜひ!」(四年生Hくん)